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肩こりや肩の痛みについて簡単に説明

2017年04月12日(水)放送 体操満載!肩こり・肩の痛み対策「危険な腱[けん]板断裂」

2017年05月01日 15時52分

腱板断裂は60歳以上の人の方の痛みで多いので

痛みが出たら無理せずにリハビリや肩の

運動をすると悪化することがあるので

まずは病院で診断を受けることが大切で

整形外科の肩の専門医に診てもらうことがお勧めです。


 

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腱板断裂とは

腱板断裂
腱板断裂の要因

 肩関節は、肩甲骨と上腕骨、鎖骨で構成され、上側の棘[きょく]上筋、前側の肩甲下筋など複数の筋肉に囲まれています。筋肉と骨のつなぎ目を腱[けん]といいますが、肩関節では集まった腱が板状に見えることから腱板と呼ばれています。この腱板が切れてしまうのが腱板断裂で、肩の痛みや動かしにくさなどの症状が起こりやすくなります。最も起こりやすいのは、腕を上げるときに使う棘上筋です。腱板断裂が起こる最も大きな原因は加齢で、腱板は加齢に伴いもろくなっていきます。特に大工さんなど長年肩を酷使し続けた人は腱板断裂を起こしやすく、転倒して手をついた際に肩にけがをして急に断裂が生じることもあります。ただし、肩の酷使やけがなどの要因がなくても、40代で発症することもあり、体質的な要因もあると考えられています。腱板断裂は、60代以上の4人に1人に起きていると考えられていますが、その約6割は痛みなど症状がみられないとする報告があります。その理由として、多くの場合、断裂の進行がゆっくりで炎症が起きにくいために痛みを感じにくいことなどがあります。ただし、腱板断裂がある以上、何らかのきっかけで痛みを感じるようになる可能性があります。腱板断裂は五十肩と違い、自然に治ることはありません。特に60代以上の場合、肩から上腕部にかけて痛みを感じるようなら、腱板断裂を疑って整形外科を受診することがすすめられます。その場合、エックス線検査では腱板が画像に写らないため、MRIや超音波による画像検査を受けることが重要です。

腱板断裂の治療

腱板断裂の治療

 腱板断裂の治療では、多くの場合、薬物療法と運動療法を行います。薬物療法では、断裂による炎症を抑えることで痛みを緩和します。使われることが多いのが非ステロイド性消炎鎮痛薬ののみ薬や貼り薬で、就寝中にも痛みがあるときはトラマドールやプレガバリンを服用します。痛みが強い場合は、ステロイド薬やヒアルロン酸を患部に注射することがあります。
 運動療法では、痛みにより過度に緊張した筋肉のリハビリを行います。また、棘[きょく]上筋の腱板断裂のみである場合は、断裂していないほかの腱板や肩周囲の筋肉を鍛えることで肩の動きを回復させます。
 薬物療法や運動療法で症状を軽減できない場合や、短期間に断裂が拡大する場合は手術が検討されます。

腱板断裂の人が行う体操

 ここで紹介する体操は、実際に患者さんに指導されている体操の一例です。
 腱板断裂がある場合や疑われる場合、運動のしかたによっては、かえって断裂を拡大させたり、症状を悪化させたりしてしまうことがあるため、必ず医師や理学療法士の指導に従って行ってください。
 肩を動かしていないのに痛む場合や、肩に熱感がある場合は体操は行わないようにします。体操を行う場合は、呼吸を止めずに、ゆっくりした動作で行い、痛みが出たら中止します。それぞれの体操は、10~20回を1セットとし、1日3セットで行うのが目安です。

残っている腱板を鍛える体操①
残っている腱板を鍛える体操①01
残っている腱板を鍛える体操①02
 立った状態、あるいは座った状態で、腱板断裂がある側の肩の裏側・骨の出っ張りの下のくぼんだ部分を反対側の手で押します。そのまま、腱板断裂がある側の手を開き、ひじを伸ばして、腕を内側と外側、交互に回せるところまで回します。手が届かない場合は、人に後ろから押してもらいながら行ってください。
残っている腱板を鍛える体操②
肩を回しやすくする体操②01
肩を回しやすくする体操②02
肩を回しやすくする体操②03
肩を回しやすくする体操②04
 いすに座り、テーブルに腱板断裂がある側の前腕を置きます。その手のひらに反対側の手の握り拳を当てながら力を加えます。その力に逆らいながら、腱板断裂がある側の手で押し返して前腕を胸方向に回していき、元に戻します。 また、逆方向も行います。腱板断裂がある側の手の甲に反対側の手のひらを当てながら力を加えます。その力に逆らいながら、腱板断裂がある側の手で押し返して前腕を外側に回していき、元に戻します。腱板断裂がある側の上腕の回転軸がぶれないように行うのがコツです。
肩の可動域を維持する体操①
肩の可動域を維持する体操①01
肩の可動域を維持する体操①02
 いすに座り、両腕を肩幅に広げ、腕を伸ばした状態で両手のひらをテーブルに置きます。息を鼻から吸いながらみぞおちをへこませて、背中を丸めながら後ろへ引きます。その状態を3秒間保ってから、息を口から吐きながら上半身を前に移動させ、胸を張ります。この状態を3秒間保ちます。
肩の可動域を維持する体操②
肩の可動域を維持する体操②01
肩の可動域を維持する体操②02
 いすに座り、両腕を肩幅に広げ、テーブルの上に敷いたタオルの上に両手のひらを置きます。タオルをすべらせるようにして、前方に腕を伸ばしていきます。無理のないところまでで止めたら、その状態を3秒間保ち、元に戻します。必ず、肩に強い痛みが出ない程度で行ってください。

腱板断裂の手術

手術を考える場合
アンカーを使った手術
リバース型人工肩関節

 60歳以下で腱板断裂がある場合、活動的な生活により断裂が進行することが多いため、手術を考えます。特に手術の対象となることが多いのが、肩を使う仕事やスポーツをする人です。薬などで痛みが抑えられた場合でも、腕に力が入らず十分上がらないような場合も手術を考えます。また、70歳以上でも、がんこな痛みが続く場合、手術が検討されます。
 手術は、腱板修復術が広く行われており、多い方法が上腕骨の上部にアンカー(糸付きのネジ)を差し込んで上腕骨に腱板をつなぐ方法です。腱板の長さが足りないなどの理由で腱板修復術ができない場合は、大たい筋の筋膜を移植する手術や、リバース型人工肩関節置換術を行うことがあります。以前は高齢になるほど手術での改善が困難でしたが、最近はリバース型人工肩関節置換術により肩の動きを取り戻せるケースが増えています。

※2017年4月現在の情報です。