2017年04月11日(火)放送 体操満載!肩こり・肩の痛み対策「五十肩 糖尿病の人はなりやすい」
2017年05月01日 15時52分
この回は特に糖尿病との関係もしているが糖尿病はほとんどの病気を悪化させたり
引き金となる事が多いです。
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五十肩とは
五十肩は、40~50代で最も多く発症し、肩が痛んで腕が上がらない、衣服の脱ぎ着ができないなどの症状が現れます。40~50代に起こりやすい要因として、この年代は加齢によって肩周辺の組織がもろくなり始めること、一方で仕事やスポーツなどまだまだ活発に肩を動かす人が多いこと、肩関節は動く範囲が大きいために骨以外の組織が引っ張られやすいことがあります。これらの要因が重なることで、五十肩が起こりやすいと考えられています。
五十肩が特に起こりやすい部位は4か所あります。1つは肩の前側にある肩甲下筋の腱[けん]と上側にある棘[きょく]上筋との隙間である腱板疎部、そしてもう1つは腱板疎部とつながっている上腕二頭筋長頭腱です。この2か所に炎症が起こると、背中に手を回したり、髪を洗ったりする動作がしづらくなります。また、上腕骨のボールと肩甲骨の受け皿を包んでいる関節包の下側や、関節包の上側にある滑液包に炎症が起こると、腕を上げにくくなります。
特に、糖尿病がある人は、そうでない人と比べて五十肩になりやすく、治りにくいことがわかっています。糖尿病で血糖が高い状態が続くと、関節包などを構成しているコラーゲンが硬くなりやすいためと考えられています。糖尿病のある人は五十肩の発症や悪化を防ぐためにも、食事や運動、薬などで血糖を適切にコントロールすることが重要です。
五十肩の経過
五十肩は経過に伴い、症状の感じ方が変化していきます。症状の軽減や早期回復、悪化の予防のために、経過に合わせて肩の安静と運動療法を適切に使い分けることが大切です。
急性期は、発症から通常は2週間ほどです。痛みが強いものの、無理をすれば肩を動かすことができます。肩を動かしたときだけでなく、安静時や就寝時にも痛みが出ます。痛みを伴う動作は無理に行わないようにしましょう。
慢性期は、通常は6か月ほどです。痛みは軽減しますが、肩が動かしにくくなります。無理に動かそうとすると痛みが出ます。痛みが軽減してきたら、硬くなった肩関節をほぐすために肩の運動を行い、少しずつ肩の可動域を広げていきます。
回復期は、通常は1~2年ほどです。徐々に痛みが解消していき、次第に肩を動かしやすくなります。しかし、数年かかる場合や、症状が残ることもあります。この時期には、低下した肩の筋力を取り戻すため、積極的に肩の運動を行います。
五十肩の回復に役立つ体操
五十肩がある場合は、五十肩の回復に役立つ体操がすすめられます。ただし、肩を動かしていないのに痛む場合や、肩に熱感がある場合は、急性期であることが考えられ肩を安静にする必要があるため、体操は行わないでください。
体操を行う場合は、呼吸を止めずに、ゆっくりした動作で、あくまで気持ちよいと感じる痛さに加減して行ってください。それぞれの体操は、10~20回を1セットとし、1日3セットを目安に行ってください。
- 腕を上げやすくする体操①
- マットなどを用意し、あおむけに寝て両ひざをそろえて立て、両腕を体の真横に広げます。そして、頭と肩は動かさずに、両ひざをそろえたまま症状のない側に倒します。その状態を3秒間保ったら、元に戻します。ひざを倒すとき、両ひざが離れないように注意してください。
- 腕を上げやすくする体操②
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安定したテーブルを使って行います。テーブルに対し、症状のないほうをテーブル側にして、横向きに立ちます。症状のない側の足のつま先をテーブルに向け、上半身をひねる形で、両手をテーブルに置きます。その体勢から、両手のひらでテーブルを押しながら、足の位置を動かさずにお尻を後ろに引きます。
この状態を3秒間保ち、元に戻します。背中や腰を丸めないようにお尻を引くのがコツです。
- 肩を回しやすくする体操①
- テーブルに向かっていすに座ります。症状のある側のひじをテーブルにつき、手首の辺りに反対側の手を添えます。この体勢から、上半身をテーブルと平行に移動し、元に戻します。反対側へも同じように移動します。テーブルについたひじの位置は固定し、腕を動かさないように行います。
- 肩を回しやすくする体操②
- 症状のある肩を下に、横向きに寝ます。顔の前に症状がある側のひじを置き、手と手を合わせます。反対側の手で力を加えながら、それに逆らって前腕を倒します。その状態で3秒間保ち、元に戻します。腕が上がらないために顔の前にひじを置けない場合は、無理のない位置に置いて行ってください。
五十肩の治療
五十肩は多くの場合、1~2年で自然に治るか、日常生活に支障をきたさない状態になるため、必ずしも受診する必要はありません。ただし、強い痛みがある場合や、痛みや動きの制限によって仕事など生活に支障がある場合は、整形外科を受診することがすすめられます。
五十肩の治療は、急性期とそれ以外の時期で目的が異なります。急性期は、主に痛みを和らげる治療を行います。非ステロイド消炎鎮痛薬ののみ薬や貼り薬などを使い、痛みが強い場合は、患部にステロイド薬を注射します。また、痛みによる筋肉の過度な緊張をほぐすため、温熱療法などを行うことがあります。
五十肩の慢性期や回復期は、主に肩の動きを回復させる治療を行います。患部にヒアルロン酸を注射する方法や、関節包にステロイド薬と局所麻酔薬を注射で注入して縮まった関節包をふくらませたり部分的に破裂させたりする関節くう拡張術を行うことがあります。それでも改善しない場合は、超音波で肩の画像を見ながら患部の神経を麻酔薬でまひさせて、医師が外側から肩を動かすことで硬くなった関節包を裂く、エコーガイド神経ブロック下徒手授動術を行うことがあります。これらの治療を行っても治りが不十分な場合などは、手術が検討されます。広く行われているのが、患部に関節鏡をさしこんで画像を見ながら関節包を切開する関節包切離術です。こうしたさまざまな治療法は、その長所や短所について医師から十分な説明を聞いた上で選ぶことが重要です。
※2017年4月現在の情報です。